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治験翻訳講座のコース別授業内容

治験翻訳講座のコースデザイン

 治験翻訳講座では、翻訳演習と治験翻訳に必須の知識を学ぶ講義の2種類の授業を学ぶことができます。演習コースは和訳演習、英訳演習に分かれ、基礎から上級まで全部で6コースを用意しました。また、治験講義の各コースでは治験翻訳に必須の背景情報を「翻訳者の必要な分だけ」に集中して学びます。専門知識の有無やバックグラウンド、英語力や翻訳経験などに応じて最適なコースをお選び下さい。

基礎演習
基礎レベルは、これから本格的に治験翻訳の勉強を始めたいと考えている方のための、スターティングポイントとして最適です。また、治験の基本知識はあるものの、翻訳またはメディカルライティングの技術を基礎からしっかり学びたいと考えている方には、基礎演習コースが最適です。

和訳基礎演習

米国のNational Cancer Instituteのテキストを使って、がん治験の全体像を把握します。また、翻訳の基本的な考え方や理論を他では入手できないオリジナル教材を使用して学びます。これから和訳の基礎をしっかり勉強したい人で、同時に治験の勉強も始めたい方、またライティングの基礎技術を学びたい方にも最適なコースです。
■翻訳教材:「Cancer Clinical Trials: The In-Depth Program」(National Cancer Institute)

■受講条件:専門知識不問、一定の英文読解力

英訳基礎演習

医学論文の投稿規程のデフォルトであるAmerican Medical AssociationのMANUAL OF STYLEを中心に、英訳者として必須の英語表記の基礎と、治験独自の表現を学びます。治験ドキュメントを扱いながら英語力を向上させたい方に最適なコースで、一般の英語学校で学ぶよりはるかに効率的です。授業は日本語で行います。
■翻訳教材:オリジナルテキスト
■受講条件:専門知識不問、一定の英作文力

実践演習
実践レベルは、医学翻訳を学んだ経験のある方、治験関連の仕事をされている方、すでに治験翻訳者として活動されている方を対象にしたレベルです。和訳実践演習では治験総括報告書を、英訳実践演習では治験実施計画書を翻訳します。また、和訳上級演習では治験薬概要書を、英訳上級演習ではCTDを翻訳対象とします。

和訳実践演習治験総括報告書Plus

クライアントの利益となる翻訳品質を提供できるようになること。それが和訳実践コースの目標です。そのために参照するべき資料はどこにあるのか、問題に遭遇した場合にはどのようなマネジメントが必要となるのか。それらの問題を独力で解決するノウハウを講師やクラスメートとの討議を通じて学びます。
■翻訳教材:治験総括報告書(胸膜中皮腫治療薬)、添付文書(抗リウマチ薬)
■受講条件:基礎レベル修了または同レベルの翻訳力をお持ちの方、TOEIC800以上が望ましい

英訳実践演習 治験実施計画書Plus

本コースでは、実際の治験実施計画書を教材として取り上げ、基礎レベルで学んだ医学英語のスタイルに則って、英語での申請書類の書き方を学びます。英訳では和訳以上に、単語レベルの直訳は不可能です。日本語原文を理解して、その内容を的確に表現する英語を作成する技術が求められます。治験実施計画書の形式を理解すると共に、治験実施計画書に多く見られる申請書類独特の定型表現を学びます。
■翻訳教材:治験実施計画書
■受講条件:基礎レベル修了または同レベルの翻訳力をお持ちの方、TOEIC800以上が望ましい

上級演習

和訳上級演習 治験薬概要書Plus

本コースの目的は二つです。一つは教材に治験薬概要書を使用することで、基礎研究や動物実験に関する知識を高めることです。二つ目は翻訳とリライトの問題を考えて、クライアントに望まれる翻訳者への道を示すことです。翻訳の経験をある程度積むと、翻訳の困難さが、翻訳対象の原文自体に内在している場合があることに気がつきます。原文に問題がある場合は原文のリライトが必要です。そのような場合、翻訳者はどこまで訳せばいいのかについて考え、また原文にありがちな間違いや不明晰さの原因についても学びます。
■翻訳教材:治験薬概要書(白血病治療薬)
■受講条件:実践レベル修了または同レベルの翻訳力をお持ちの方、TOEIC800以上が望ましい

英訳上級演習 FDAの英語表現

FDAの審査官が満足するような英語を書きたい。おそらくそれは治験英語に関わる全ての方が希求する最終的なゴールと言えるでしょう。英訳上級演習では、特殊領域の集団によって共有される言語であるRegisterという概念でFDAの英語表現を捉え、データを重視するコーパス言語学の手法でFDAの公開資料を精査した結果をクラス全体で共有します。
■翻訳教材:承認申請資料(CTD)
■受講条件:実践レベル修了または同レベルの翻訳力をお持ちの方、TOEIC800以上が望ましい

治験講義
治験講義は、治験の中核である医薬品を理解するために必要な背景知識を学ぶコースです。医学薬学系のバックグラウンドを持たない方を対象として、治験翻訳に必要十分な情報を効率的に提供します。薬理学入門、薬理学、メディカルライティング入門のコースから必要に応じてお選びください。

治験概論 治験の基礎知識

治験とは何かを知るために必要な知識を、臨床試験概論を中心に講義します。Regulatory Scienceに必須となるICHガイドラインを中心に、治験に関連する主要なガイドラインや法律上規制を受ける用語や表記について紹介します。また、治験の理解に必要な薬物動態などの非臨床領域についての基礎知識、さらに治験の理解に参考となる医薬品情報提供文書(審査報告書、公開CTD、添付文書など)の入手及び利用方法を学びます。(※毒性、薬理、薬物動態については薬理学入門講義で詳しく講義します。)治験の知識をライブ感覚で知りたい方に最適なコースです。

【授業カリキュラム】
I 治験概論及びレギュラトリーサイエンス
■レギュラトリーサイエンスの重要性
レギュラトリーサイエンスとは?、レギュラトリーサイエンスと治験翻訳、治験とは?
薬機法、ICHガイドライン、MedDRA
■医薬品開発概論
医薬品とは?、医薬品開発プロセス(基礎研究、非臨床試験、臨床試験、承認申請、製販後調査)、治験のプロセス
■臨床試験概論
臨床試験の一般指針(ICHガイドラインE8)、GCP(ICHガイドラインE6)
■医薬品情報提供文書 【PMDA公開】
添付文書、インタビューフォーム、申請資料概要(CTD)、審査報告書 検索演習
■治験関連知識
物理化学・CMC、臨床検査

II 医学統計
■医学統計の重要性
統計を利用する理由、有意差について、医学統計と翻訳
■医学統計入門
ICHガイドライン(E9、E10)
偏りと精度、盲検化、ランダム化、試験デザイン、優越性・非劣性・同等性、評価項目、FAS・PPS
■統計の基礎
検定、推定、例数設計、閉検定手順、欠測値
データの種類、データの表現(平均値、中央値、標準偏差、信頼区間、ハザード比)
■統計手法
パラメトリック検定、ノンパラメトリック検定、多重検定、相関分析、生存分析
■臨床試験での統計記載
記載事例紹介

■使用教材:オリジナルテキストと参考資料
■受講条件:専門知識不問

薬理学 治験薬理入門

薬理学初学者対象。薬理学の基礎,生体内活性物質と病態,薬物受容体と薬理作用,薬物療法の基本概念,薬物療法の基本概念などを理解します。さらに,薬物動態や毒性を含めた非臨床試験の概念と用語を学び,治験翻訳における適切な訳文作成の基礎力を養います。

【授業カリキュラム】
■薬物の生体における作用点
 イオンチャネル、Gタンパク共役型受容体、膜貫通型受容体、細胞内受容体、細胞外の酵素、細胞接着
■薬力学
 有効量中央値(ED50)、毒性中央値(TD50)、致死量中央値(LD50)
 作用薬(agonist)と拮抗薬(antagonist)、治療係数(Therapeutic index)
■薬物動態学
 薬物の生体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)と定量的記述(予測)生体膜の構造、
 投与経路による吸収の相違、分布、代謝反応、腎臓や肝臓からの排泄
■薬物動態学 その2
 薬物動態学の臨床応用、薬物の代謝排泄速度論、薬物動態の重要なパラメーター、分布容積、
 AUC(血中濃度−時間曲線下面積、area under the blood concentration-time curve)、クリアランス、半減期
■薬物の代謝とそれに影響する因子
 薬物の代謝反応や薬物輸送、酸化還元酵素や抱合酵素、薬物輸送に関わるトランスポーター、ゲノミクス、
 年齢と性別、食生活や環境、疾患など
■薬物毒性学と薬物相互作用
 有害作用や毒性効果、過敏反応、薬物間相互作用や飲食物との相互作用
■使用教材:オリジナルテキストと参考資料
■受講条件:専門知識不問

英文分析演習 薬理学

治験翻訳に必要な技能は英語の理解、日本語の表現、背景知識の3つですが、最も重要なのは英文構造の分析能力です。本コースでは可能な限り多量の英文を分析することで分析力を養成します。(添付ファイル毎回2/3ページ程度を予定しています)また、同時に薬理学の基本用語をバイリンガルで整理することを目標とします。本コースの目的は、
 1.翻訳力向上に最も重要な、英文構造分析の精度を高める。
 2.薬理学に関する日本語・英語のバイリンガル表現を整理する。
となります。

【授業カリキュラム】
1.事前課題提出
 課題範囲の英文を意味のカテゴリーごとに色分けする。コアは赤、フリンジ部分は原因理由、道具、
 時間、ロケーションなどの意味ごとに指定された色に分ける。
(テキスト送付時に課題作成サンプルを送ります。)
2.授業
 各参加者は自分の色分けの根拠を説明する。
 その際ハンドアウトの他の参加者と比較して別の可能性を考慮する。
 各参加者は自分の色分けとの違いを指摘する。
3.個人面談 
 全授業終了後、希望者に対し約30分のZOOM面談を行う。

■使用教材
 Geoffrey M. Currie著 Pharmacologyより抜粋編集して使用
 本テキストは著者の勤務するCharles Sturt Universityが開講する成人向け薬理学コースの教材として作成されたものです。 治験翻訳講座の薬理学の授業内容ともよく調和しており、治験翻訳者の学習領域として相応しい内容となっています。 実際の授業用テキストはPDFファイルを編集し、色分け作業ができるようWORDファイルでお届けします。
本書の構成は以下の通りです。授業では本講座の学習内容として適切な部分を抜粋して使用します

■授業テキスト1:英文分析演習 薬理学 1
 Chapter 1.Introduction to Pharmacology  (PDF 16 pages)
 Chapter 2.Introduction to Pharmacodynamics  (PDF 10 pages)
 Chapter 3.Nuclear Cardiology (PDF 20 pages)
■授業テキスト2:英文分析演習 薬理学 2
 Chapter 4.Interventional Medications 1 (PDF 8 pages)
 Chapter 5.Interventional Medications 2 (PDF 12 pages)
 Chapter 6.CT and MRI Contrast Media (PDF 13 pages)

■著者による内容紹介
The first article will deal with the introductory concepts, terminology, and principles that underpin the concepts to be discussed in the remainder of the series. The second article will build on the pharmacodynamic principles examined in the first article with a treatment of pharmacokinetics. Article 3 will outline pharmacology relevant to pharmaceutical interventions and adjunctive medications used in general nuclear medicine. Article 4/5 will cover pharmacology relevant to pharmaceutical interventions and adjunctive medications used in nuclear cardiology, and Article 6 will discuss the pharmacology related to contrast media associated with CT and MRI. (JOURNAL OF NUCLEAR MEDICINE TECHNOLOGY紙掲載)

■受講条件:専門知識不問

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